Suns News サンズ最新情報
(2005年5月)
サンズの情報や噂話を掲載します。
※日付は特に明記がなければ現地時間です
※英語力には自信がないので、誤訳/ニュアンス違いはごめんなさい。
※リンクしたページはリンク先の都合で削除されている場合があります。
※選手名の略称はこちらで説明してます。
プレイオフ カンファレンス・ファイナル Game4
(2005/5/30)
vs @ San Antonio W 111-106 1勝3敗
Game1 | Game2 | Game3 | Game4 | Game5 | Game6 | Game7 |
5/22 | 5/24 | 5/28 | 5/30 | 6/1 | 6/3 | 6/5 |
Home | Home | Away | Away | Home | Away | Home |
●114-121 0勝1敗 |
●108-111 0勝2敗 |
●92-102 0勝3敗 |
○111-106 1勝3敗 |
平穏な生活
ダラスとのセミファイナルGame2からリズムがずれていた。そのサンズのリズムが22日振りに戻った。「平穏な生活をおくれることが、何よりの幸せである」、この言葉をかみしめた試合だった。
8試合ぶりに1Qをリードで終える。その後逆転されるも3Qの35点のラッシュで再逆転。そこからは1点差まで詰められるものの逆転を許さない。残り38秒、ダンカンのダンクをアマレがブロックで阻止、シリーズ初勝利を飾った。復帰第2戦のJJは26得点で勝利に大貢献している。
スタッツを見ると見慣れた数字が並ぶ。ナッシュの得点の欄に「48」なんていう数字はない。ナッシュは17点、12アシストでレギュラーシーズンの平均とほぼ同じ。先発5人全員が2桁得点を挙げてバランス良く勝つ、レギュラーシーズンどおりのサンズがそこにいた。
今シーズン、スパーズが本拠地SBCセンターで敗れるのはわずか5回目。ホームで圧倒的な強さを誇るスパーズ相手でも、「いつものサンズ」なら勝てるのが分かった。
「平穏な生活=いつもの試合」がこんなに幸せだとは気づかなかった。平穏な生活をおくれることが何よりの幸せである。
ダンカンのダンクをブロックしたアマレの表情が物語る。彼らはまだまだやれる。1つずつ返していくだけだ。
残りあと7勝
プレイオフ カンファレンス・ファイナル Game3
(2005/5/28)
vs @ San Antonio L 92-102 0勝3敗
Game1 | Game2 | Game3 | Game4 | Game5 | Game6 | Game7 |
5/22 | 5/24 | 5/28 | 5/30 | 6/1 | 6/3 | 6/5 |
Home | Home | Away | Away | Home | Away | Home |
●114-121 0勝1敗 |
●108-111 0勝2敗 |
●92-102 0勝3敗 |
逃げる訳にはいかない
この文章を書いているのはGame4の結果を知ってからである。やっと書く気になった。
昨年10月にこのHP(ホームページ)を開設してから、「すべての試合を記録に残す事」を自分に課してきた。プレシーズンからはじまり、レギュラーシーズン82試合、プレイオフまですべての試合の記事を書いてきた。記事を書くためには情報が必要だ。スタッツ(BOX SCORE)はもちろん、NBA.comのハイライト動画、現地のHP(英語)までチェックして情報を集めている。
レギュラーシーズンに62勝したとはいえ、負け試合も20試合あった。書く気がしない時もあったが、たとえ負け試合であっても記事を残してきた。でも3連敗となったスパーズとのGame3は書く気にならなかった。「JJ復帰で巻き返しをはかる」と期待していたこの試合に負けて、スパーズに王手をかけられた。
「2Qたったの10得点」、「ナッシュのアシストわずか3つ」、この2つの数字をスタッツで確認しただけで分かった。これ以上情報を集めてもつらくなるだけだ。「もう何も見たくないし、何も書きたくない」、ノートパソコンを乱暴に閉じて、その日は寝た。
Game4の勝利を知ってようやく気持ちの整理がついた。選手達は戦っている。私も逃げる訳にはいかない。
残りあと8勝
プレイオフ カンファレンス・ファイナル Game2
(2005/5/24)
vs San Antonio L 108-111 0勝2敗
Game1 | Game2 | Game3 | Game4 | Game5 | Game6 | Game7 |
5/22 | 5/24 | 5/28 | 5/30 | 6/1 | 6/3 | 6/5 |
Home | Home | Away | Away | Home | Away | Home |
●114-121 0勝1敗 |
●108-111 0勝2敗 |
いつもの奴ら
ホーム2連敗。この負けはさすがにこたえた。
セミファイナルからナッシュのシュート本数が多すぎるのが気になる。レギュラーシーズンの平均は11.4本、それがJJが不在となってからは23.8本で倍増している。セミファイナルはナッシュの得点により救われたが、こう同じパターンが続くと気になる。ナッシュのシュート本数が多いのはサンズのやり方ではない。本来のチームバランスが崩れている。
チームバランスが崩れている理由は3つ考えられる。まず考えられるのは、PGの側面をもつJJの欠場でゲームメイクがしにくくなっていること。2つ目に考えられるのは、相手のディフェンスによりナッシュ多投に追い込まれていること。そして最悪のシナリオはチーム・ケミストリー(チーム内の人間関係)の崩壊である。
今シーズンのサンズの躍進は、才能とチーム・ケミストリーが融合した結果である。昨シーズンにチームを去ったペニーはシーズン中に語っている。
「今のサンズはチーム・ケミストリーがいい。僕がいた頃は、影で悪口を言いあったりして良くなかった」
私はサンズの選手の事を親しみをこめて「奴ら(やつら)」と呼んでいる。「奴らのチーム・ケミストリーがいいこと」は私にとって誇りであった。もしケミストリーが壊れてしまっているのだとしたら、プレイオフ敗退以上に悲しいことだ。別にケミストリー崩壊が報じられているわけではない。ずいぶん大げさに考えてしまっている。テンションが低いとつまらない事を考えてしまうものだ。
私は奴らを信じている。奴らのケミストリーも信じているし、プレイオフをこのまま終わらせないことも信じている。次戦までは中3日空き、明日は試合もなくオフだ。とりあえず頭を冷やす。気持ちを切り替える。JJの復帰でチームバランスを戻す。
「いつもの奴ら」が戻ってくれば、誰も奴らを止められない。
残りあと8勝
動向(2005/5/23)
JJはGame2出場しないそうです。
プレイオフ カンファレンス・ファイナル Game1
(2005/5/22)
vs San Antonio L 114-121 0勝1敗
Game1 | Game2 | Game3 | Game4 | Game5 | Game6 | Game7 |
5/22 | 5/24 | 5/28 | 5/30 | 6/1 | 6/3 | 6/5 |
Home | Home | Away | Away | Home | Away | Home |
●114-121 0勝1敗 |
悲観することはない
スパーズのダンカンは出場し、サンズのJJ(ジョー・ジョンソン)は出場できなかった。そしてサンズは敗れ、ホームコート・アドバンテージを失った。
負け方は2通りある。1つはスパーズのディフェンスにまきこまれ「85−90」のようなスコアでの負けるパターン。もう1つはサンズのペースであるハイスコアでのせり負け。点数だけ見ると後者だが、中身はディフェンス/オフェンスの両極面で負けていた。
まずはオフェンス。これはベンチの差が出た。4Q、6thマンのブレント・バリーに13点入れられて逆転されている。スパーズのバリーも、サンズのジムジャク(ジム・ジャクソン)も、「ベンチからの得点」を期待されてチームに呼ばれた選手だ。想定どおりの使い方ができたスパーズと、JJ欠場で先発に使わざるえなかったサンズの差がでた。確実ではないが、JJは第2戦で復帰する模様。QはJJと相性がいい。JJが戻ればQも復活する。
ディフェンスではマリオンが抑えられた。マリオンの得点はわずか3点、ブルース・ボウエンに完全にやられた。さすがのマリオンも疲れが出たようだ。前戦(vs ダラス 第6戦)の51分出場からわずか中1日。同じ4勝2敗でセミファイナルを勝ち抜いたのにも関わらず、スパーズの中2日より1日少ない。マリオンはこの程度の男ではない、次は結果を見せる。
虎の子のホームコート・アドバンテージを失ったのは痛いが、悲観することはない。バリーの大当たりがなければ勝っていたし、41点のアマレは誰にも止められなかったのだから。
残りあと8勝
カンファレンス・ファイナル展望(vs スパーズ)
Game1 | Game2 | Game3 | Game4 | Game5 | Game6 | Game7 |
5/22 | 5/24 | 5/28 | 5/30 | 6/1 | 6/3 | 6/5 |
Home | Home | Away | Away | Home | Away | Home |
根拠はないが勝つ
レギュラーシーズンでは3度対戦して1勝2敗、スパーズには分が悪い。
あまり言葉はいらない。どんな理屈を並べても気休めにしかならない。「ダンカンは怪我を負っている」、「うちのJJは第1戦無理そう」、これだけ材料を並べても、「やってみないと分からない」という結果しか導きだせない。
強いて言えば「デンバーは1つ勝てた」、「ソニックスは2つ勝てた」、じゃあ「サンズなら4つ勝てる」と言えるぐらいか。
根拠は無い。でもサンズが4勝2敗で勝つ。
残りあと8勝
プレイオフ カンファレンス・セミファイナル
Game6 (2005/5/20)
vs @ Dallas W 130-126 OT 4勝2敗
カンファレンス・ファイナル進出!
Game1 | Game2 | Game3 | Game4 | Game5 | Game6 | Game7 |
5/9 | 5/11 | 5/13 | 5/15 | 5/18 | 5/20 | 5/22 |
Home | Home | Away | Away | Home | Away | Home |
○127-102 1勝0敗 |
●106-108 1勝1敗 |
○119-102 2勝1敗 |
●109-119 2勝2敗 |
○114-108 3勝2敗 |
○130-126(OT) 4勝2敗 |
− |
実はディフェンスがキーワード
壮絶な打ち合いのシリーズが終わった。両チームとも6試合全て100点オーバー。平均得点はサンズ118点、ダラス111点。数字だけ見ると「ディフェンス無視」に見えるが、実際はディフェンスが勝敗に大きく影響している。たとえば、Game4の敗因はアマレがダラスのディフェンスに抑えられたためである。
最終戦となったGame6でも「ディフェンス」がキーワードとなった。この試合のキーワードは「ノビツキーに対するディフェンス」だ。ノビツキーには28点獲られたものの、延長戦のFGは5投で成功0本。マリオンが延長戦のノビツキーを完璧に封じたことによる勝利である。
展開も劇的だった。今年のプレイオフを振り返る時に欠かせない試合である。
プレイオフのハイライトは心に刻まれる。ナッシュの同点弾はそれに値するプレイだ。この試合が見れないのが悔しい。スカパーを見える方々がうらやましい。
残りあと8勝
プレイオフ カンファレンス・セミファイナル
Game5 (2005/5/18)
vs Dallas W 114-108 3勝2敗
Game1 | Game2 | Game3 | Game4 | Game5 | Game6 | Game7 |
5/9 | 5/11 | 5/13 | 5/15 | 5/18 | 5/20 | 5/22 |
Home | Home | Away | Away | Home | Away | Home |
○127-102 1勝0敗 |
●106-108 1勝1敗 |
○119-102 2勝1敗 |
●109-119 2勝2敗 |
○114-108 3勝2敗 |
ジムジャクに火をつけた
3Q残り0.9秒、ジムジャク(ジム・ジャクソン)が不用意なファールを犯して逆転された。前半の11点ビハインドからようやく追いついた3Q、最後のプレイで再逆転されたことにより、試合の流れがダラスに戻ったと思われた。
しかし、この失態が逆にジムジャクの心に火をつけた。「絶対に負けられない」と改めて決意して臨んだ4Q、ジムジャクのFGは8投中7本成功して15点。そのうち6点はナッシュ不在の時間帯に挙げたものである。4Q序盤のラッシュでダラスを引き離し、その後追いつかれることはなかった。
ダラスのHCであるエイブリー・ジョンソンは語る。「ジムジャクはハングリーだ。そういう素質は教えて身につくものではない」
そのジムジャクのアームバンドには「JJ2」の文字。JJ(ジョー・ジョンソン)の怪我で先発になれたにも関わらず、JJを気遣う男がそこにいた。加入時に恐れていた「我がまま」というイメージはどこにもなかった。
ナッシュはキャリア3回目のトリプルダブル。Game4との違いは「ナッシュ一辺倒」でないこと。アマレは33点を挙げ、Game4の借りを返している。
「Game6が待ちきれない!」とアマレは語る。アマレらしいセリフだが、慢心してしまうのはアマレの悪い癖だ。エイブリー・ジョンソンを見くびってはいけない。再度作戦を練りなおして臨む必要がある。
次で決める。
残りあと9勝
プレイオフ カンファレンス・セミファイナル
Game4 (2005/5/15)
vs @ Dallas L 109-119 2勝2敗
Game1 | Game2 | Game3 | Game4 | Game5 | Game6 | Game7 |
5/9 | 5/11 | 5/13 | 5/15 | 5/18 | 5/20 | 5/22 |
Home | Home | Away | Away | Home | Away | Home |
○127-102 1勝0敗 |
●106-108 1勝1敗 |
○119-102 2勝1敗 |
●109-119 2勝2敗 |
ナッシュだのみ
Game2の負けより深刻である。
ナッシュが3Qに23点をあげて、キャリアハイの48点。「ナッシュの48点もとってくれた」ではなく「ナッシュが48点もとるはめになった」が正しい。レギュラー・シーズンでも時折見られた「ナッシュ頼み」は、サンズにとって苦しいパターン。
ナッシュ/アマレのピック&ロールにダラスがアジャストしてきた。ナッシュには打たせても、アマレは封じる作戦である。アマレ以外へのパスコースも塞がれた。仕方なくナッシュは状況を打開するために自ら打ちにいく。これが「ナッシュ頼み」である。試合の流れを変えるための「ナッシュ頼み」ならいいが、これ一辺倒では勝てない。アマレはわずか15点。ナッシュはわずか5アシストに9ターンノーバー。「いつものサンズ」はどこにもいない。
ナッシュが冷静さを失ってたように感じる。古巣のダラスが相手で熱くなるのは分かる。しかし、フロア・リーダーが冷静さを失っては勝てない。ナッシュばかりシュートを打っていた状況を、他のメンバはどう感じていただろうか。打開策を全員で話し合う必要がある。話し合えば、答えは必ず見つかる。
JJの欠場がはてしなく大きい。サンズは日替わりで「今日のMVP」が登場して勝ってきた。日替わりメニューのレパートリーが少ないのは苦しい。また、今日のような試合でも安定した数字を残すのがJJの持ち味だ。JJはフェイスガードをつけて復帰するが、復帰時期は未定で早くても第6戦。第5戦の復帰はないとダントーニは示唆した。
1戦ずつ交互に好不調の波がきている。こうなると4勝の差(サンズ62勝、ダラス58勝)が効いてくる。
残りあと10勝
プレイオフ カンファレンス・セミファイナル
Game3 (2005/5/13)
vs @ Dallas W 119-102 2勝1敗 (TV中継観戦記)
Game1 | Game2 | Game3 | Game4 | Game5 | Game6 | Game7 |
5/9 | 5/11 | 5/13 | 5/15 | 5/18 | 5/20 | 5/22 |
Home | Home | Away | Away | Home | Away | Home |
○127-102 1勝0敗 |
●106-108 1勝1敗 |
○119-102 2勝1敗 |
気持ちは総力戦
先発のJJを失い、戦力が大幅に低下したサンズ。「JJのいない穴を全員で埋める」と気持ちは総力戦で臨んでいるが、実際には5人で試合を終えている。これでホームコート・アドバンテージ奪回。
JJの変わりにジムジャクが先発。「必要なら48分出場しても構わない」とナッシュがダントーニに直訴したとおり、先発を酷使することによりJJの穴を埋めている。先発は全員41分以上出場。総得点119点のうち、ベンチメンバーはたったの5点。
ジムジャクは「ベンチから出てくる嫌らしい奴」というのが持ち味であり、そのジムジャクを先発で使ってしまうと采配の自由度が狭まる。この酷使が後からダメージで効いてくる可能性はあるが、目先を乗り切るためにはしかたがない。JJ不在でも勝利を積み上げ、JJがいなくても勝てたことを自信に繋げていってほしい。
1Qはリズムが悪くリードを許したが、その後は本来の展開に。4Q残り5分50秒から13−0の猛攻で試合を決めた。アマレが37点、14リバウンド、5ブロックとチームを引っ張っている。プレイオフ3戦連続30点オーバーはサンズ史上初めて。
この男、プレイオフに入ってから進化を遂げている。ダラスとの3戦の平均は35.7点、15.3リバウンド、MVP級の数字である。2Qのディフェンス、3秒間でブロックを2つ決めてダラスに入れさせなかったのが圧巻だった。インサイドを一人で支配する姿が頼もしく、このプレイオフの間に絶対的エースに化けてくれるだろう。
JJの出術は成功し既に退院している。「第5戦はユニホームを着る」と言っているそうだ。第4戦で王手をかけて、JJの待つフェニックスに帰ろう。
残りあと10勝
プレイオフ カンファレンス・セミファイナル
Game2 (2005/5/11)
vs Dallas L 106-108 1勝1敗
Game1 | Game2 | Game3 | Game4 | Game5 | Game6 | Game7 |
5/9 | 5/11 | 5/13 | 5/15 | 5/18 | 5/20 | 5/22 |
Home | Home | Away | Away | Home | Away | Home |
○127-102 1勝0敗 |
●106-108 1勝1敗 |
序盤にシュートがまったく入らず、1Qは12点ビハインドで終わる。その後盛り返して一進一退の展開に。同点で迎えた4Q残り6秒、ノビツキーが勝ち越しのシュートを決めて2点差。最後のプレイでQが3ポイントを放つが、リングにはじかれてゲームセット。
慢心していた。レギュラーシーズン最高勝率、ナッシュ/ダントーニの相次ぐ受賞、1stラウンドのスウィープ、そして第1戦の完璧な勝利、思い上がる材料は揃っていた。もう負けるはずがないと思い込んでいた。そんな状況での思わぬ敗退。寝不足で体調不良だった体に、この負けはこたえた。
この負けで正気に戻った、マブスは簡単に勝てるようなチームではない。選手もファンも気合を入れなおさなければならない。
2Q終盤、速攻でJJがダンク気味のシュートを放った際に、スタックハウスが後方から無理やりチェイス。JJが空中で背後からボディアタックを受けた形になり、バランスを崩したJJは顔面をコートに打ちつけた。眼窩骨折で1週間は欠場確実、復帰は第6戦以降になる模様。
故意でないのは認めよう。怪我をさせようとしたプレイではなかったのは分かる。しかしあれはハッスル・プレイなどではなく車で言うところの無謀運転だ。交通事故なら過失割合9:1でスタックの過失である。サンズの負担は「不動の先発離脱」でマブスの負担はフレグラント・ファールだけ。これでは割に合わない。スタックは次の試合も笑顔でコートに現れるだろう。
次戦は待望のNHK放送試合、ダラスでの対戦は今シーズン2勝0敗である。
残りあと11勝
動向(2005/5/10)
ダントーニの正式発表
まずは、ダントーニから。ダントーニHCのコーチ・オブ・ザ・イヤーが正式発表され記者会見が開かれました。(SUNS.comに動画あり)
コーチング・スタッフに対する謝辞の後にボーの話をしています。断片的に聞き取れた単語から想像すると、「ボーがプレイング・コーチとしていてくれたのが大きかった」という話をしたようです。ボー加入が今シーズン好調の要因だったことが改めて分かりました。
さらに、ボー、ボスクール、シャーリー、マッカーティーの名前を挙げています。おそらく「プレイタイムが少ないのに、腐らずにチームを盛り上げてくれた」というような事を言ったのだと思います。(逆にスタメンの個人名は挙げていません)
最後は家族(奥様と息子のマイケル)への感謝を述べたところで感極まっています。
いい会見でした。
ナッシュのMVPについて
ナッシュのMVPについて詳しく書いていなかったので改めて書きます。
詳しい情報はNBA.com(Japan)の記事に任せるとして、本人のコメントを紹介します。
「自分のヒーローだった人達と同じところにいるのが信じられない。良いチームメート達と共に「チームとして」この栄誉を勝ち取ったことを誇りに思う。自分のバスケットボールプレイヤーとしてのハイライトだ。また偉大な選手達を同じ賞を受賞したことに興奮している。」
全ては去年の7月1日に始まりました。FA交渉解禁初日に「Robert Sarver(筆頭オーナー)、コランジェロ親子(GM)、ダントーニHC、スティーブ・カー(オーナーの一人)、レックス・チャップマン (当時はスカウト)とアマレ」という面子でダラスへFA交渉に乗り込みました。その誠意が伝わって、マブス残留が確実と言われていたナッシュの獲得に成功したのです。
元サンズのナッシュが戻ってきたことが単純に嬉しかったし、ピュアPGが不在だったチームに大物PGが来たことで成績アップを期待しました。でもこんなに好成績が残せるとは夢にも思ってなかった。
「才能ある若手たち」に「リーダーシップあふれるベテラン司令塔」が加わったことで化学反応が起こったのです。
このほほえましい画像を見てください。「ナッシュとその仲間達」が私達ファンをファイナルまで連れてってくれます。
プレイオフ カンファレンス・セミファイナル
Game1 (2005/5/9)
vs Dallas W 127-102 1勝0敗
チーム崩壊
アマレが40点16リバウンドの活躍でシリーズ初戦を飾りました。
Game1 | Game2 | Game3 | Game4 | Game5 | Game6 | Game7 |
5/9 | 5/11 | 5/13 | 5/15 | 5/18 | 5/20 | 5/22 |
Home | Home | Away | Away | Home | Away | Home |
○127-102 1勝0敗 |
このシリーズが始まる前に気にしていた事が2つありました。
1つ目の懸念はファースト・ラウンドから1週間以上空いた事による試合勘でした。怪我の回復には役だったものの、試合勘は鈍っていることが予想され、特にQのシュート・タッチを心配していました。この1つ目の懸念は杞憂に終わりました。チーム全体のFG%は52%、3ポイントも54%と絶好調。心配したQも「3ポイントが8投で4本成功」で全く問題ありませんでした。
2つ目の懸念は、アマレとダンピアーのマッチアップでした。レギュラーシーズンではダンピアーと2分しか対戦していないので、相性の善し悪しを図りかねていたのです。この2つ目の懸念は杞憂ころか、思わぬ副産物を与えてくれました。
アマレとダンピアーのマッチアップはアマレの圧勝です。アマレは40点16リバウンド、ダンピアーをファールトラブルに陥らせわずか15分しか出させていません。結局ノビツキーもアラン・ヘンダーソンもアマレを止められず、アマレはやりたい放題でした。
副産物はマブスの内紛です。ノビツキーがダンピアー不甲斐なさを「動きが遅い、集中していない」と切り捨てると、ダンピアーも「反論するのも馬鹿ばかしい」と応戦しています。翌日の練習でもノビとダンピアーは一言も話していないそうです。マブスのチーム崩壊が、サンズの優位に働くことは間違いないでしょう。
怖いのはサンズの油断ですが、心配ありません。最後にQのコメントを紹介します。
「すばらしいゲームだった。しかしもう終わったことだ。20点差つけたって所詮1勝に過ぎない。」
残りあと11勝
動向(2005/5/9)
正式発表は未ですが、ダントーニHCがコーチ・オブ・ザ・イヤーに選ばれました。勝利数を前シーズンから33個増やしてリーグ最高勝率を残した功績が評価されたものです。
サンズの受賞は1989年のコットン・フィシモンズ氏以来です。今シーズンは昨年亡くなったフィシモンズ氏に捧げるシーズンとして、白い喪章をユニホームにつけています。フィシモンズ氏もさぞかし喜んでいることでしょう。
ダントーニは昨シーズン途中ににフランク・ジョンソンHCの後任として就任しています。イタリアリーグのHCで高く評価されていたものの、NBAでは実績を残していなかったので、実力を疑問視していました。だから私は昨オフに「実績のあるコーチの獲得」を熱望しており、ダントーニの続投が決まったときにはがっかりしたものです。
またシーズンが始まってからも「スモールラインナップは通用しない」とか「スタメンを酷使しすぎだ」とかでダントーニに対する批判も多く聞かれました。
でも彼と選手達は結果を残しました。彼のやり方が最善だったかは分かりませんが、結果を残したことは最大限に評価されるべきです。ダントーニの強みは「信念」だと思っており、周りの雑音に惑わされずに信じた道を突き進んだ彼に激しくリスペクトします。
正式発表となる10日はダントーニの54歳の誕生日です。
ちなみに私はブルズのスカイルズHCが受賞すると予測していました。(こちらもサンズOBの活躍は嬉しい限り)
速報(2005/5/8)
ナッシュのMVPが正式発表され、受賞の模様がNBA.comで公開されました。
ダントーニHC、コランジェロGM(親)がスピーチした後にナッシュがスピーチしています。ナッシュは最初にチームメイト全員を壇上に招きいれ、一人ずつと堅く握手を交わしています。全員笑顔の暖かい光景を見て、嬉しくて涙がでました。 (詳細は別途)
カンファレンス・セミファイナル展望(vs マーベリックス)
ようやくマブスvsロケッツの決着がつき、カンファレンス・セミファイナルの相手はマーベリックス(第4シード)になりました。
Game1 | Game2 | Game3 | Game4 | Game5 | Game6 | Game7 |
5/9 | 5/11 | 5/13 | 5/15 | 5/18 | 5/20 | 5/22 |
Home | Home | Away | Away | Home | Away | Home |
ナッシュの古巣マブスとはレギュラーシーズンで3回対戦して2勝1敗です。勝利はいずれもアウェイで、ホームでは負けています。
11/16 | Away | ○ 107-101 | 4人がダブルダブルで快勝。 |
2/17 | Home | ● 113-119 | J.HowardとM.Finleyにやられて敗れる。 1月央〜2月初の強行日程を過ぎヘロヘロだった頃。 |
2/26 | Away | ○ 124-123 | ナッシュが欠場したのに関わらず逆転勝ち。 最後はノビのレイアップをマリオンがブロックで止める。 |
先発が予想される選手を中心に詳しく見てみます。
11/26 | 2/17 | 2/26 | ||
得点 | ナッシュ | 17 | 19 | 欠場 |
JJ | 7 | 12 | 18 | |
Q | 18 | 22 | 26 | |
マリオン | 18 | 17 | 25 | |
アマレ | 34 | 31 | 33 | |
他 | 13 | 12 | 22 | |
FG% | 47.8% | 45.3% | 56.3% | |
リバウンド | 54 | 41 | 45 | |
11/26 | 2/17 | 2/26 | ||
得点 | J. Terry | 2 (負傷退場) |
9 | 27 |
M. Finley | 欠場 | 33 | 13 | |
J. Howard | 13 | 30 | 22 | |
D. Nowitzki | 20 | 16 | 26 | |
E. Dampier | 2 (負傷退場) |
欠場 | 欠場 | |
他 | 64 | 31 | 35 | |
FG% | 41.2% | 51.3% | 48.9% | |
リバウンド | 44 | 44 | 45 |
いずれの試合も「ベストメンバー 対 ベストメンバー」の対戦ではありません。
2/17の敗退は1月央からの強行日程で疲れが溜まっていた時期でした。今は1回戦をスウィープしたおかげでフル充電状態です。
強いて言えば2/26の対決が「スタメンが1人ずつ欠けた試合」ということで参考になります。「ナッシュを欠いたサンズ」と「ダンピアーを欠いたマブス」、どちらの欠場選手がインパクトが大きいかはMVPの投票結果が物語っています。この試合をアウェイで勝てたことは、サンズには大きな自信となり、マブスには苦手意識を植え付けました。
注目したいのはセンター対決です。アマレは3試合とも30点以上とっています。しかし、3試合ともダンピアーと勝負した上での結果ではありません。ダンピアーは2/17,2/26は欠場していますし、11/26は5分のみで退場しています。サンズの勝利のためにはダンピアーにアマレが抑えられないことが必須条件になります。
レギュラーシーズン58勝したチームはあなどれませんが、4勝1敗でサンズ勝利と見ます。花火の撃ち合い(得点勝負)になる相手には負けません。
動向その2(2005/5/7)
正式発表はまだですが、レギュラー・シーズンのMVPにナッシュが選ばれました。ESPNの情報ですから間違いありません。正式発表は現地時間の8日です。
動向その1(2005/5/7)
カンファレンス・セミファイナルの日程が決まりました。
Game1 | Game2 | Game3 | Game4 | Game5 | Game6 | Game7 |
5/9 | 5/11 | 5/13 | 5/15 | 5/18 | 5/20 | 5/22 |
Home | Home | Away | Away | Home | Away | Home |
日程は決まったものの対戦相手がまだ決まっていません。マブスvsロケッツの第7戦は5/7です。
サンズとっては1週間以上空きました。試合勘は鈍っていますが、間隔が空いた分マリオンの負傷は癒えました。
レギュラーシーズンの成績はマブスのほうが上ですが、マブスよりロケッツのほうが「いやらしい相手」だと感じています。
小ネタ(2005/5/4)
落ち着いて
ファーストラウンド初戦の試合前、サンズのロッカールームに書かれていた言葉は「Ride The Waves With Poise」です。直訳すると「落ち着いて波に乗ろう」となります。プレイオフ熟練者が少ないチームらしい言葉です。落ち着いていつものプレイができれば、ファーストラウンドのように結果がついてきます。
落ち着きをもたらす男
試合前の選手紹介、ベンチから出てくる先発選手をコートで迎える男がいます。その男はボー・アウトロー、試合には出ないけどチームに必要な男です。レギュラーシーズンの出場はわずか39試合で平均5.5分、プレイオフ・ファーストラウンドの出場はもちろんなく、プレイではほとんど貢献していません。でも、ベテランのボーが笑顔で選手を送り出すことで、プレイオフでも若い選手達が落ち着いてプレイできています。また、試合前の円陣の真ん中で踊っているのもボーです。彼がムードメーカーとして兄貴分として、チームに必要とされているのが良く分かります。
ボーと言えば
マリオンが「Majerle Hustle Award」を受賞しました。これはサンズのローカルな賞で、ハッスル・プレイで有名な殿堂入りOBダン・マーリーが主催する賞です。マリオンがこの賞を受賞するのは当然として、この賞で思い出すのはボーです。数年前、ボーもこの賞を受賞したことがあります。(あの頃は出場時間も多く、オンコートでもハッスルしてた)
田臥がボーの復帰で故障者リストに行ったこともあり、去年の11月にボーのサンズ復帰は日本でも大きく報道されました。ボー復帰を伝えた現地アリゾナの報道が「ボーは×年にMajerle Hustle Awardを受賞した」と書いてたのを見て、日本スポーツ報道でもボーの紹介文の中でこの賞の事が訳されており、「由緒ある賞だと勘違いしてんだろうな」と笑ったことを思い出します。
プレイオフ 1stラウンド Game4 (2005/5/1)
vs @ Memphis W 123-115 4勝0敗
カンファレンス・セミファイナル進出!
SWEEP!
Game1 | Game2 | Game3 | Game4 | Game5 | Game6 | Game7 |
4/24 | 4/27 | 4/29 | 5/1 | 5/3 | 5/5 | 5/7 |
Home | Home | Away | Away | Home | Away | Home |
○114-103 1勝0敗 |
○108-103 2勝0敗 |
○110-90 3勝0敗 |
○123-115 4勝0敗 |
− | − | − |
スゥイープ(負けなしの4連勝)で1stラウンド突破を決めました。7戦形式のプレイオフを無敗で抜けたのはチーム史上初めてです。(1stラウンドが5戦形式だったころに、3勝0敗で抜けたことはある)
レギュラーシーズンでもよくあった「大味なスコアの試合」でした。驚異的な得点力で相手をねじ伏せています。決して誉められた試合内容ではありませんが、逆に「自分達ペースで試合ができている」とも言えるのでよしとしましょう。
私的に選ぶ1stラウンドのMVPはマリオンです。第1戦にフレグラントファールを受け手首の腫れに苦しむ中、この4試合の成績は「21.3点、12.5リバウンド、2.25ブロック、FG55.4%」。文句なしにチームを引っ張りました。
嬉しいというよりホッとしています。「1回戦なんかで負ける訳がない」とチームを信じてはいましたが、決めるまでは安心できず、試合結果を見る時のドキドキ感がたまりませんでした。このドキドキ感が6月下旬まで続きます。
次の対戦相手はマブス(第4シード)とロケッツ(第5シード)の勝者になります。こちらは現在2勝2敗でもつれており、決着がつくまでしばらくかかりそうです。
カンファレンス・セミファイナルは早くて7日、遅くて10日から始まり、最短でも中5日間空きます。試合間隔が空くと試合感が鈍るデメリットもありますが、怪我のマリオン、怪我かつスタミナが不安のナッシュを抱えるサンズにとって休養は最大のプレゼントです。
しばらくは「走り勝つための体力」を貯めてもらいましょう。
残りあと12勝