Suns News サンズ最新情報
(2005年6月〜9月)

サンズの情報や噂話を掲載します。
 ※日付は特に明記がなければ現地時間で
 ※英語力には自信がないので、誤訳/ニュアンス違いはごめんなさい。
 ※リンクしたページはリンク先の都合で削除されている場合があります。
 ※選手名の略称はこちらで説明してます。

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動向(2005/8月下旬〜9月上旬)

前回の更新から期間が空いたので、その間に確定した3件をまとめて伝える。

2005/8/18

 

フリーエージェントで加入 :Brian GrantPat Burke

ブライアン・グラントの加入は既報のとおりだが、記者会見でもう1名の加入も発表された。

そのPat Burkeは31歳のアイルランド人。02-03シーズンにマジックでプレイしてからは欧州でプレイし、昨シーズンはレアル・マドリッドに所属していた。身長6フィート11インチ、どの程度使える選手かは分からないが、とりあえずセンターの控えが1枚埋まった。

 

2005/8/19

 

サンズ→ホークス :Joe Johnson
ホークス→サンズ :Boris Diaw 、ドラフト1順目指名権(制限付)×2つ、トレード・エクセプション(6百万ドル)

JJのトレードがようやく確定した。2つのドラフト指名権はなかなか好条件である。

1つ目はアトランタの持ち物で、2006年だとアトランタがプレイオフ進出した場合(15位指名以下)だとやってくる。2007年にはアトランタが4位指名以下であればやってくる。2008年は制限はない。

2つ目はもともとはレイカーズの持ち物で、ボストン→アトランタと経由してきたもの。2006年だとレイカーズが11位指名以下だとやってくる。2007年〜2010年まではレイカーズが6位指名以下だとやってくる。

加入するBoris Diawを紹介する。23歳のフランス人で2003年のドラフト21位指名。手元にBorisが出ている試合のビデオがあったので見てみた。第一印象は「でかいな」である。PGで起用するとされていたので小柄な選手だと思い込んでいたが、6フィート8インチもある。長身PGとしてJJの代役をさせたいのがサンズの意向らしい。

PGのライバルの登場でバルボッサが奮起するのは確実だ。互いに競いあって成長していくのを期待する。

 

2005/8/25

 

サンズ→ペイサーズ :ドラフト2順目指名権
ペイサーズ→サンズ :James Jones

「放出したのがドラフト2順目指名権だから大した選手じゃない」と思ったら間違い。ペイサーズがサラリー圧縮に迫られていたためこのような条件になっただけで、Jonesは実績がある選手だ。

昨シーズンは乱闘事件によるペイサーズの大量出場停止のためとはいえ24試合に先発している。光るのは39.8%の3ポイント確立。3ポイントでJJとQの穴を埋めることを期待されている。

 

フィンリーの獲得には失敗し、フィンリーはよりによってスパーズに行ってしまった。また、一時は加入が報じられたスコット・パジェットはネッツと正式契約した。ペイトンの噂はその後続報なし。

7月20日にお伝えしたLucas Tischerとの契約は破談になっておらず、トレーニングキャンプ前に正式契約される模様。


動向(2005/8/16)

控えを承知で

ブライアン・グラントには「やられた」という印象が強い。98−99シーズンのプレイオフ1回戦、サンズの前に立ちはだかったのがブライアン・グラントだった。絶好調のポートランドにサンズは0勝3敗で蹴散らされた。当時ポートランドのインサイドを支配していたのが、サボニスとグラントである。ドレットヘアと熱いプレイで当時は人気選手だった。

そんなブライアン・グラントがサンズにやって来ることになった。サラリーはわずか1.67百万ドル(2年契約の1年目の金額)。この破格の安さはアラン・ヒューストン・ルールのおかげである。

■アラン・ヒューストン・ルール
今年の労使協定で決まったルール。正式名称は「amnesty waiver choice(権利放棄特赦)」。今年に限りチームは8月15日までに保有選手を1名解雇できる。解雇した選手にもともとの契約額は払う必要があるし、解雇選手のサラリーはサラリーキャップにも計上される。ただし、特例として解雇した選手のサラリーはラグジュアリー・タックス(贅沢税)の計算からは除外される。高額選手にこのルールを適用することにより、チームはラグジュアリー・タックスを回避できるメリットがある。
このルールが適用された選手は完全FAとなる。適用された選手から見れば、これまでの高額年棒を維持したまま好きなチームに行けるメリットがある。
「年棒のわりに役にたってない選手(不良債権)」を対象にすることが想定されたルールのため、最高年俸なのに昨シーズン20試合しか出てないニックスのアラン・ヒューストンに例えて、通称アラン・ヒューストン・ルールと呼ばれている。(余談だが、ニックスはこのルールをヒューストンではなく、ジェローム・ウィリアムスに適用した。)

サンズはこのルールを昨シーズンに契約買取したHoward Eisleyに適用する方向。(契約買取したがサラリー・キャップとしては1年間契約が残っている)

グラントの獲得には20チームが興味を示したが、彼は2つの理由からサンズを選んだ。1つ目の理由はサンズのアシスタント・コーチであるMarc Iavaroniとマイアミ時代に一緒だったこと。そしてもう1つの理由はサンズが優勝を狙えるチームだからである。

今回の加入で大切なのは、グラントがアマレの控えとなることを承知で来てくれることだ。全盛期の活躍は無理としても、まだまだ一線級の選手。実力は興味を示したチーム数が証明している。そんな選手が文句も言わずベンチにいてくれるのはありがたいことだ。

これでインサイドの厚みが増えた。欲を言うとシクサーズに行ってしまったハンターの替わりに7フッターが1枚欲しい。(ハンターの離脱は痛かった)

さらに大きな交渉が2件継続中である。1件目はこれもアラン・ヒューストン・ルールでダラスを解雇されたマイケル・フィンリーだ。ルーキー時代をサンズで過ごし、ダラスでナッシュの親友だったフィンリーが来てもおかしくない。

交渉中のもう1件は、ナッシュの控えとして交渉しているゲイリー・ペイトンだ。ペイトンを獲得する場合は、JJのトレードで来る予定のトレード・エクセプション(4.9百万ドル)を使うことになる。ペイトンも「ナッシュの控えで構わない」という表明している。

もし全て実現したら凄いことになる。船頭が多すぎて混乱しないかが気になるが。


確定情報&動向(2005/8/13)

8月2日に新労使協定が施行された。この8月2日が過ぎれば、仮決定されていた契約が次々と正式発表されるはずだった。

状況 確定日 内容
正式決定 8/2 サンズ→ボブキャッツ :Jake Voskuhl
ボブキャッツ→サンズ :将来のドラフト2順目指名権(制限付)
正式決定 8/3 FAのRaja Bellと5年契約
正式発表なし サンズ→アトランタ :JJ
アトランタ→サンズ :Boris Diaw、ドラフト1順目指名権2つ、トレード・エクセプション(4.9百万ドル)
正式発表なし FAのScott Padgettと2年契約
正式発表なし FAのLucas Tischer(サマーリーグ参加選手)との2年契約

ご覧のとおり、まだ2つしか正式発表できていない。その原因は、アトランタのオーナーの1人がJJのトレード内容が気に入らずにごねていたからだ。スターン・コミッショナーが介入し、JJのトレードはようやく成立しそうな気配である。(あまりに馬鹿らしい話で詳細は省略)

サンズにとっては身動きがとれない状況が2週間続いている。今は移籍交渉の上で非常に大事な時期だ、この時期に動けないのは迷惑以外のなにものでもない。


動向(2005/8/2)

ハッピーエンド

JJの心は最初からサンズにはなかった。サラリーの折り合いさえつけば相思相愛だと思っていたが、実際は片思いだった。

JJの不満は2つあった。1つ目の不満は自分に対するサンズの評価である。昨夏の延長交渉でサンズは、JJ側の6年50百万ドルの提示を蹴っている。当時としては妥当な判断だと思われるが、JJは自分が不当な評価を受けていると感じた。さらに交渉の席でオーナーのセーバーが口を滑らせた。「どこへでも行くがいい。そうすれば大金が手にはいるんだろうから」。この昨夏のセーバーの失態をJJは忘れることがなかった。

2つ目の不満は、チームにおける自分の位置づけである。JJは自分の才能に自信があり、チームの3rdオプションであることが受け入れられなかった。アマレとの確執もあったようだ。

残留をにおわす発言もしていたものの、最初からサンズに残る気はなかったのであろう。JJ残留を前提にチーム構想を描いていた私達が甘かった。そしてJJは望みどおりの地位とサラリーを手に入れた。

ただし、厄介払いができたとも言える。フロントだけでなく、チームメートに対しても不満を抱えていたのは問題だ。無理に残留させても、チーム不和の原因となるだけだった。ケミストリーがないチームが勝てないのは、昨シーズンのウルブスとレーカーズが証明している。

「不動のスターターの1枚」を失ったが、「ケミストリー破壊につながる不満分子」を手放すことができた。さらにバックアップPG練習生(Diaw)と、今後のトレード材料(ドラフト指名権2つ)を得た。サラリー圧迫で身動きがとれなくなるのも回避し、次の動きに備えられる。こう考えると悪くないトレードだ。

後味が悪い別れだったが、JJが昨シーズンの功労者だった事実は消えない。JJにとっても、サンズにとっても良い結末となり、ハッピーエンドである。


動向(2005/8/1)

JJのサンズ残留はなくなり、サイン&トレードでアトランタに行くことになった。(正式な契約は新労使協定の8月2日以降)

サンズ→アトランタ :JJ
アトランタ→サンズ :Boris Diaw、ドラフト1順目指名権2つ、トレード・エクセプション(4.9百万ドル)

1言では語りきれないので、後日ちゃんと書きます。


動向(2005/7/30)

風向きが変わった

「アトランタに行かせて欲しい(サンズがマッチしないで欲しい)」とJJが言ったそうだ。理由は去年の夏の延長契約決裂から続く、自分の処遇に対する不満である。特にオーナーのセーバー氏に対するわだかまりは強いようだ。不満の行き先が経営陣だけで、コーチおよび選手に対して不満がなければいいのだが。風向きが変わってきている。

確実性

ロケッツのScott Padgettと2年契約に合意したと報じられている。100万ドル例外を適用した模様。(これも正式な契約は8月2日以降)

サイズの割には4割弱の3ポイント確率があるのが売り。インパクトがある数字は残しそうにないが、伊達に6シーズンもNBAにいる訳ではない、ルーキーより確実性は高いだろう。


動向(2005/7/28)

呆然とした顔が印象に残る

ボブキャッツとのトレードに合意した。

サンズ→ボブキャッツ :Jake Voskuhl
ボブキャッツ→サンズ :将来のドラフト2順目指名権(制限付)

正式な契約は新労使協定の施行後となる。

JJの契約のためにサラリーを減らすためのトレードだそうだ。サラリーは確かに1.87百万ドル減る、そして同時に貴重なセンターの控えが1人減った。FAで誰か獲れる見込みがあるならいいが、見込みがないなら非常に疑問なトレードである。

LJ(ボスクールのニックネーム)は2001年10月にトレードで来て、サンズで4シーズン過ごした。出場試合は228試合、ビックマン不在のサンズで79試合で先発を努めている。しかし、昨シーズンにスモールラインナップを採用してからは出番が激減し、昨シーズンは38試合(先発1試合)に留まっている。

LJは実績がある選手だから、使ってもらえないのは大いに不満だったはず。そんな状況でも健気にベンチでチームを盛り上げる姿を見る度に、ファンとして申し訳なさを感じていた。

LJの最大の思い出は、2003年プレイオフ1回戦(対スパーズ)、第4戦の逆転のフックシュートで試合を決めことだ。ベンチでスコット・ウィリアムズに祝福をうけた時の呆然とした顔が印象に残る。(ヒーローになるのが不慣れで混乱していたのであろう)

寂しいが決まったものは仕方がない。ボブキャッツで試合時間がもらえることを祈りたい。


動向(2005/7/25)

セーバー氏の苦悩

新労使協定の施行が22日から28日に延期となった。FA選手の契約は労使協定の施行まで実施できず、オーナーのセーバー氏の苦悩は6日間長くなることになった。(その後さらに8月2日まで延長された)

制限付FAであるJJがサンズに残留するかは微妙だ。アトランタがとんでもないオファーをしているからである。アトランタのオファーは5年70百万ドル、サンズの6年60百万ドルを大幅に超えている。サンズがアトランタと同条件を飲んでマッチすればJJは残留可能だが、セーバー氏を悩ませているのはラグジュアリー・タックスである。

■ラグジュアリー・タックス(贅沢税)とは
 チームのサラリー合計額がタックス基準額を超えたチームは、超えた分と同じ額を罰金として払う制度。サラリーの高騰を防止するため、労使協定で定められている。

サンズがJJと5年70百万ドルの契約を結ぶと、サンズは2007年に10百万ドルのラグジュアリー・タックスを払う必要があるとArizona Republicは報じている。ナッシュ、マリオン、カート・トーマス、ラジャ・ベルのサラリーに、JJとアマレの契約延長額を加えると、2007年にはこの6人だけでタックス基準額の61百万ドルに達してしまう。6人だけでは試合できないため、残り7選手の契約に10百万ドルかけると、合計71百万ドルとなり、61百万ドルを超えた10百万ドルをラグジュアリー・タックスとして支払うことになる。

JJの残留有無はチーム力だけでなく観客動員に大きく影響する。JJが残るかどうかでファンの期待度が大きく変わり、シーズンチケットの売れ行きが左右されるからだ。観客動員がチームの収支に与える影響は大きい。

セーバー氏は迷っている。ラグジュアリー・タックスを避けるか、それとも来年の優勝狙いと観客増をとるか。結論が出るのは8月初旬。ここはセーバー氏の大英断に期待したい。

二兎を追う唯一の解決策は、JJが残留を再優先に考えて妥当なサラリーで契約してくれることだ。しかしJJは「戻りたいが、あくまでもビジネスだ」と一貫してオファー額重視の発言をしている。「ビジネスよりチームへの愛着を考えて欲しい」と思う部分もあるが、サンズがQを放出したのも「ビジネス」だったから、サンズにJJの「ビジネス」を非難する権利はない。


動向(2005/7/20)

バルボッサのための補強

ラスベガスで開催されたサマー・リーグに参加していたLucas Tischerとの2年契約に合意した。2年目はチームオプションで、1年目も残留期間に応じてサラリーが払われる形態。正式な契約は新労使協定の施行後となる。

Tischerは6フィート9インチのフォワード。サマーリーグでは平均13.7分、6.0点、3.7リバウンドの数字を残した。ブラジル出身の22歳、昨シーズンまではブラジルのリーグに所属していた。

Tischerの補強は2つの面をもつ。1つは単純にPFの補強で、マリオンの控えとしての役割を求めてのもの。もう1つは「バルボッサのための補強」という面である。

バルボッサには「ナッシュの控え」として大きな成長が求められている。ナッシュを休ませるためには、バルボッサが出ている時間帯にチームを安定させる必要があるのだ。バルボッサは精神面で弱いところがあり、精神面のむらを失くすことが成長に必要だ。同郷の仲間が入ったことで気分転換がしやすくなり、精神面のむらが少なくなることを期待している。

おまけ

アシスタントコーチのMarc Iavaroniはサンズ残留となった。


動向(2005/7/12)

人事関連の話題を3題

Dijon Thompson

ドラフト54位でニックスに指名され、Qのトレードでサンズに来たDijon Thompsonと正式に契約した。1年契約で2年目はチームオプション。(2年目の契約有無はチーム側が選べる)

Marc Iavaroni

アシスタントコーチのMarc Iavaroniの身辺が再び騒がしくなっている。
最初はポートランドのHC(ヘッドコーチ)の候補にあがった。これはNate McMillanがポートランドHCに就任したことにより落ち着いた。

今度はNate McMillanが去ったシアトルのHC候補になっていると報じられている。Iavaroniは最終候補3名のうちの1人だそうだ。Iavaroniの実力は分からないが、30人しかいないHCに誘われているぐらいだから、業界での評価は高いのだろう。

サンズのコーチングは放任主義だと言われるが、まったく放任主義であるはずがない。「選手に自由を感じさせつつ導く」という絶妙なバランスを作っている。これは怒り役、なだめ役、聞き役などのコーチ陣の役割分担があって成り立つものであり、アシスタントコーチとはいえ重要なキャストだ。
シアトルのHC落選を強く望む。

Joe Johnson

アトランタがとんでもないオファーをしているらしい。(つづく)

動向(2005/7/6)

信じている

JJ(Joe Johnson)とは昨年も契約延長の交渉をしている。その時は双方の提示額が折り合わず決裂した。その結果、JJは今オフに制限付FAとなった。

制限付FAとは、所属チームに優先権があるフリーエージェントのことである。制限付FAであるJJは、他チームと契約交渉が可能だ。しかし、他チームとJJが合意してオファーシートにサインしても、サンズが同じ契約内容を受けれてマッチすれば、JJはサンズに残留となる。

交渉条件においてもサンズは他チームより有利だ。サンズは最大6年の契約を提示できるが、他チームは最大5年までしか提示できない。また、1年ごとのサラリー上昇率もサンズが大きく設定でき、同じ年数ならサンズのほうが高額提示が可能だ。

ここでサンズとJJの代理人との間には駆け引きが産まれる。JJは他チームとの交渉できるが、他チームとは5年契約しかできない。サンズも「いざとなればマッチすればいい」という選択肢があるため、無理なオファーは提示しないのである。

現在はこの駆け引きの真っ最中である。サンズはJJにオファーを提示しているものの、代理人から返事がなく交渉は始められていない。おそらくJJ側は他チームと交渉しているところで、「サンズの6年」と「他チームの5年」を思案しているところだろう。

幸いなのは、JJの本心はサンズ残留にあり、サンズもJJ残留のための出費を覚悟できていることだ。

いずれ「JJ残留」の記事が書けることを信じている。


動向(2005/7/5)

サンズにとって今オフ最大の課題は、制限付FAであるJJ(Joe Johnson)との再契約である。

JJとサンズ首脳の交渉は、7月2日に仮設定されましたが延期された。理由はJJが家族と過ごしたいからと言われており、再交渉日は決まっていない。


動向(2005/7/1)

FA交渉が解禁し、さっそくニュースが飛び込んできた。

Arizona Republicによると、FAのRaja Bellとの交渉に合意したようだ。ミッドレベル・エクスパンションを利用した5年契約(総額25百万ドル程度)。正式発表はNBAのルール上、22日までできない。

ラジャの獲得は単なるSGの補強だけでなく、ディフェンスの向上として大きな意味をもつ。ディフェンスで高い評価をうけているラジャを獲得できたことは朗報である。解禁初日に合意したのを見ても分かるように、チームとしてもFA本命の中の1人だったのであろう。


動向(2005/6/29)

マイク・ダントーニHCの兄であるDan D'Antoniがアシスタント・コーチとなった。Dan氏は30年間高校チームのコーチをしていた。


ドラフト&トレード(2005/6/28)

ドラフト当日の動きをまとめて整理する。

■ドラフトの指名
 21位指名 Nate Robinson
 57位指名 Marcin Gortat
■トレード(その1)
 ニックス→サンズ :Kurt ThomasDijon Tohmpson(ニックスの54位指名)
 サンズ→ニックス :Quentin Richardson + Nate Robinson(サンズの21位指名)
■トレード(その2)
 マジック→サンズ :現金
 サンズ→マジック :Marcin Gortat(サンズの57位指名)

まとめると、Qが去って、Kurt ThomasとDijon Tohmpsonがやってきた1日だ。

今日はとうとう確定したQのトレードについて書く。(Kurt ThomasとDijon Tohmpsonについては別途書く予定)

良薬は口に苦し

「痛みを伴うトレード」が成立した。このトレードを一言で言うと、「Qの3ポイントを捨てて、インサイドの安定を図った」となる。

Qは3ポイントはサンズの武器で、まさに「飛び道具」だった。成功率はともかく、リーグ最高の226本の3ポイントはサンズのRun & Funの大きな要素であった。ただ「要素」ではあっても「主役」ではなかった。6月初旬に首脳陣が話し合った際には、既にチーム構想からはずれていたそうだ。放出の理由を3つの観点で見てみる。

1つ目の放出理由は個人的なものだ。Qの貢献についてはチームも理解している。3ポイントだけでなくリバウンドも稼げる能力は貴重だ。ただ、あまりにもムラがありすぎた。好不調の波がはげしすぎる。集中しているときはすごいが、その集中がコンスタントに続けられないのだ。またプレイオフで勝負弱さも露呈した。JJが不在の時期にチームを救う活躍はできなかったし、スパーズとの最終戦で無得点だったのは勝負弱さの象徴である。

2つ目の放出理由はチーム戦略である。「ディフェンスのないチームは優勝できない」のレッテルはカンファレンス・ファイナルで現実となった。頂点を目指すためには多少手を加える必要があるとチームは判断した。その方向性がインサイドの安定である。ディフェンスの向上はもちろん、ポストプレイができる選手を置くことによりアマレの能力を最大限に生かすのが狙いだ。この役目として白羽の矢がたったのがカート・トーマスであり、カート・トーマスを獲るためには同程度のサラリーをもつQを放出する必要があったのだ。

3つ目の理由はサラリー問題である。Qとカート・トーマスのサラリーはほとんど差がないが、残年数に大きな差がある。Qの残5年に対し、トーマスは残3年である。制限付FAのJJ残留と、06-07シーズンからのアマレの最高額契約を考えると、サラリーキャップはいくらあっても足りない。早期に負担がなくなるトーマスのほうが、サラリー戦略が立てやすいのである。

総合的に考えて、今回のトレードは意図が明確で妥当だと判断している。このトレードが成功だったかは来年に分かることだが、現時点のチームの判断を私は支持する。

でも「理解」と「心情」は別物である。Qがいなくなる理由は分かるが、さびしさは隠せない。クラッチプレイを決める時のまなざしが好きだったし、ベンチでじゃれあう姿も好きだった。04-05シーズンを駆け抜けた家族が1人去った。パーティが終わったことを改めて感じた。

Qは「NBAでトレードはビジネスだし、いつまでもサンズのファンだ」とコメントしているが、本心は複雑だろう。去年のオフシーズンにサンズを選んでくれたQに感謝している。

ちなみに、Qより妻のブランディのほうが怒ってるだろうと思うのは私だけではあるまい。


動向(2005/6/21)

6月末がデットラインだったNBAの労使交渉がまとまった。これで7月からのロックアウトがなくなり、98年の二の舞は避けられた。先の話ができるようになったので、そろそろオフシーズンの話題について書くことにする。

ドラフトは28日にニューヨークで開催される。サンズは21位指名と57位指名を持っている。今シーズンの1順目指名権(30位)はバルボッサを獲得した時に放出したためない。

21位指名は「去年のドラフト7位指名」とのトレードでシカゴから得たものだ。57位指名はジム・ジャクソンのトレード時にホーネッツよりやってきたもの。

シカゴから得た21位指名は誤算だった。シカゴが好成績を残すとは思っておらず、もっと高順位が得られると想定していたからである。喜ばしく思っていたシカゴの躍進が、こんなところに影響があるとは盲点だった。

20日付けのArizona Republicに、指名候補として地元アリゾナ州立大のIke Dioguのことが詳しく紹介されている。

サンズに必要なのはディフェンスの向上とバックアップPGであり、Dioguはディフェンス強化策で名前が挙がっている。サンズのワークアウトには2度呼ばれた。

Dioguは6フィート8インチのパワー・フォワードで、エルトン・ブランドのような体型をしている。背は高くないが手が長く、自分より大きい相手に対するディフェンスができる。ワークアウトで長身(7フッター)の相手とマッチアップさせてみて、チーム側も好印象を持ったようだ。あまり走れないらしいのでチームにフィットしないかもしれないが、インサイドが強い選手が加入すると戦い方にバリエーションがつけられる。

「ドラフトを回避して大学に残るかも」という噂もあったが、ドラフトに参加することが正式に決まった。他に目ぼしい選手がいないのであれば、地元の選手を獲ったほうがいい。観客が増えてチームが増収となることが、チームの強化費につながるからだ。

主要サイトの指名予想を見てみた。

調査日(日本時間) 6/22  
NBADraft.net Ersan Ilyasova 6-9 SF トルコ人
HoopsHype Sean May 6-8 PF ノースカロライナ大 Zach Randolphタイプ
InsideHoops.com Chris Taft 6-10 PF/C ピッツバーグ大 Chris Wilcoxタイプ
about.com Charlie Villanueva 6-11 SF コネチカット大 Lamar Odomタイプ
Arizona Republic Andray Blatche 7-0 PF 高校生 Steven Hunterタイプ

21位指名ともなると予想は分かれる。Dioguは挙がっていなかった。


プレイオフ カンファレンス・ファイナル Game5 (2005/6/1)
vs San Antonio L 95-101 1勝4

04−05シーズン終了

Game1 Game2 Game3 Game4 Game5 Game6 Game7
5/22 5/24 5/28 5/30 6/1 6/3 6/5
Home Home Away Away Home Away Home
●114-121
0勝1敗
●108-111
0勝2敗
●92-102
0勝3敗
○111-106
1勝3敗
●95-101
1勝4敗

ラスト・ダンス

私にとって今シーズンのサンズはラスト・ダンスだった。まだまだ踊っていたかったが、シーズンは終わった。

ラスト・ダンスという言葉は97−98シーズンのブルズで使われた。ジョーダン引退、フィル・ジャクソンの退団がささやかれ、「このメンバーでやるのは最後」という意味でラスト・ダンスと言われていたのである。事実シーズン終了後にブルズは解体された。

今シーズンのサンズをラスト・ダンスだと思っている理由は、JJが移籍する可能性があるからである。JJはシーズンオフに制限付フリーエージェントとなる。JJの価値は今シーズン高まっており、獲得を狙っているチームも多いだろう。他チームのオファーによっては、JJがチームを去ることは十分ありえる。

選手の入れ替わりが激しいメジャー・スポーツにおいて、移籍は当たり前の出来事である。同じスタメンで2年連続やっているピストンズのような例のほうが珍しい。仮にJJがいなくなったとしても、5人全員が入れ替わる訳ではない。普通ならJJ離脱だけでラスト・ダンスと呼ぶのは大げさだろう。

ただ、夢のようなシーズンを見せてくれた5人は、私にとって大きい存在になりすぎた。「この5人がもう揃わないかも」と思うと、ラスト・ダンスと呼ばずにはいられない。

だから、JJが復帰せずにシーズンが終わるのはどうしても避けたかった。敗退であったとしても、5人揃って終わって欲しかった。そういう意味でGame4の勝利は格別だった。5人が揃って勝つのを最後に見れてよかった。このGame4の勝利で満足してしまった私がいたのも事実である。シーズン敗退が決まったGame5は、落ち着いた気持ちで受け入れることができた。

スパーズは強い。ダンカンが16試合も休んだのに59勝してしまうチームとは総合力の差があった。サンズの強さはトランプでできた塔のようなもので、1枚ぬけるとバラバラに崩れる。そこがスパーズとの差だ。

「JJの怪我がなければ絶対に勝てた」と言うほど楽観的ではない。でも万全の状態でスパーズと7戦やってみたかった。

開幕から71回勝ち、頂上まで7回足りずにラスト・ダンスは終わった。


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